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しかし、背中から地面に着地した俺の体勢はすぐに立て直せないくらいに崩れ、次の攻撃は避けられない。
俺を見下ろした炎は勢いのついた剣を上に振り上げる。
「――」
「オマエの相手はこっちだ、デカブツ」
まさに、スキルを使おうとした瞬間、蓮の蹴りにより、炎の体勢が崩れた。
膝の裏を思い切り蹴り抜いている。
あれなら相手がどんなに強靭な肉体だろうと、必ず体勢を崩せるだろう。
「よっ…と!」
その間に蓮は地面に倒れるのを堪えた炎の膝上に足をかけ、肩を駆け上がり大きく飛び上がった。
そして……
「トドメだ」
落下の勢いのついた踵落しが炎の頭に決まった。
グラリと揺れる巨体。
蓮は器用に体を捻って地面に受け身をとりながら着地――
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