強敵

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大きな風船を割ったような音が聞こえた。 時間の感覚が戻る。 炎は剣を取り落し手を押さえていた。 血が流れているのが見える。 「何をしている隆之!とっとと距離をとれ!」 詩織の怒声が聞こえた。 「…っ!」 頭が働き出す、体も動く。 身体がようやく緊張に反応して汗を流し始めた。 鳥肌が立つ。 呼吸が荒くなる。 言われるがままに炎から距離をとり、呼吸を整えた。 蓮の様子を横目で見る。 打撃をモロに食らい、地面に打ち付けられたのに彼は立ち上がっていた。 しかし、俺から見ても満身創痍のように見える。 これ以上戦闘すると、こちらの分が悪い。 比奈は顔を青ざめさせて、震えていた。 信頼していた炎の暴走、戦闘とたてつづけにあったので無理はない。
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