強敵

9/29
前へ
/550ページ
次へ
視線を炎に戻す。 しかし、彼はすでに俺を見ていなかった。 俺の後方に居る佳織、詩織を睨み付けていたのだ。 佳織は蓮に近づこうとこちらに走ってきている。 「佳織来るな!狙われてる!」 その俺の言葉がきっかけになったのか、炎は突撃してくる。 延長線上に居た俺は防ぎきれず、見事に体当たりにより撥ね飛ばされた。 少しの浮遊感の後、地面に落下。 下が土だったため衝撃は少し緩和されたが、それでも大ダメージになる。 頭を軽く打ち、脳が揺れて平行感覚が無くなる。 内蔵を押し上げられるかのような感触に、吐き気がしてしばらく地面で苦しみに悶えていた。
/550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加