強敵

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佳織が危ない……! 「【神眼】」 景色は色と音を失い、動けるのは俺だけとなる。 停止した時間の中で思考を開始する。 おそらく、炎に追い付くだけで神眼を一回使ってしまう。 そして追いついたところで、奴の突進を止める術はない。 俺は……無力だった。 何もしないまま、景色は色と音を取り戻した。 佳織と炎の距離はもう数メートルしかない。 詩織も拳銃を構えていたがその顔は恐怖で歪んでいた。 比奈と同じように顔は青ざめ、拳銃を持つ手は震え、ついには取り落としてしまった。 あの詩織が、相手の気迫に完全に負けてしまったのだ。
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