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「なっ……?」
ドスンと言う音とともに、炎は地面に叩きつけられる。
炎が佳織に投げられたのだ。
確かに見ていた。
炎が佳織に大振りの拳を振りかざしたのを綺麗に捌き、逆に相手の勢いを利用して手を捻った。
ただそれだけで、蓮の打撃を耐え切り、比奈のスキルによる拘束を弾き返した炎の身体を宙に舞わせたのだ。
「久々に、私、怒りましたから」
炎にも勝る気迫を、あの佳織が出していた。
こちらは聞いているだけなのに、背筋が寒くなるような、そんな冷たい声色だった。
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