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丁度その時、三人分の足音が聞こえ、皆そちらのほうを向く。
比奈、香奈、そして炎だ。
炎はやはり大きい、失礼だが三人で並ぶと二人子連れのお父さんに見えてしまう。
筋骨隆々で外国人の血でも入っているのか、髪は黒なのに青い瞳をしていた。
比奈の言っていることが少し分かった。
確かに真面目そうで、なぜだか安心感が伝わってくるような人物だ。
「えと……その……」
比奈は何かを言い淀んでいる。
「比奈、どうしたの?」
「ひ…比奈達も、一緒に、連れてってくれたら……なんて……」
どんどん声が小さくなり、後半はほとんど聞こえなかった。
……まあ、言いたい事は伝わってくるのだが、こう、意地悪したくなった。
「ゴメン、聞き取れなかった。
もう一度言ってもらえるかな?」
「うぅ……」
比奈は羞恥でなのか、顔が真っ赤になっていた。
しきりに炎や香奈の方を見る。
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