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「暗いのに良く見つけられたね」 「……私、目良いから」 「これじゃ持っていても意味ないな……。 うーん、捨てちゃっていいよ」 「…………なら」 「ん?」 「……私が貰っても……いい、かな」 「いい、けど。使い物にならないよ?」 「……構わない。 ……ありがと」 水樹は大事なものを包み込むかのように軽く十字架を握り、それを胸に当てて微笑んだ。 うっすらと頬が赤く染まっているように見えなくもない。 「ど…どいたしまして」 なぜかこっちまで恥ずかしくなってしまった。
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