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……それから歩くこと数十分。 代わり映えのなかった景色が、ようやく変化した。 どこまでも続いていた草原は地を走る亀裂により分断され、そこを越えた先にはゴツゴツとした岩場が広がっていた。 ここが地図の丁度真ん中なのだ。 亀裂の幅は十数メートルにも及び、橋でもない限り、けして越えられそうにない。 そして、横に遥か彼方まで裂けている。 おそらく島の端から端まで亀裂が走っていることだろう。 「隆之、見てください。 あそこにあるのは看板ではないですか?」 佳織の指差す方向を見ると、ボンヤリと何かがあるのが見える。 確かに看板に見えなくもない。 「行ってみようか」 歩く速度を早め、ソレを確認しに行く。 ……やはりソレは紛れも無く看板だった。
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