44人が本棚に入れています
本棚に追加
「水樹に頼んで全員向こう側まで運んでもらうしか、方法はないんじゃないか?」
「おバカ、水樹ちゃんにかかる負担を考えてあげなさい」
「うっ……」
詩織がしょぼんとしてしまった。
「ならば、自分の能力を使うのはどうだろう。
少々時間はかかるが、橋くらいなら造ることができると思う」
炎は最初、一人称を『私』としていたが、話しているうちに『自分』に変えていた。
「そんなことも出来るんだ…。
佳織、これならいけるんじゃない?」
「そうですね……。
一人だけに任せるのは申し訳ないのですが、炎さんにお任せしましょう」
炎は分かったと言って目を閉じる。
頭の中で橋のイメージを重ねているのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!