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「水樹に頼んで全員向こう側まで運んでもらうしか、方法はないんじゃないか?」 「おバカ、水樹ちゃんにかかる負担を考えてあげなさい」 「うっ……」 詩織がしょぼんとしてしまった。 「ならば、自分の能力を使うのはどうだろう。 少々時間はかかるが、橋くらいなら造ることができると思う」 炎は最初、一人称を『私』としていたが、話しているうちに『自分』に変えていた。 「そんなことも出来るんだ…。 佳織、これならいけるんじゃない?」 「そうですね……。 一人だけに任せるのは申し訳ないのですが、炎さんにお任せしましょう」 炎は分かったと言って目を閉じる。 頭の中で橋のイメージを重ねているのだろう。
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