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「……分かった。
【堕天使】」
水樹は漆黒の翼を生やし、詩織の後ろに回り込む。
ガッチリと詩織の腰に手をまわし、翼を羽ばたかせて地面を蹴る。
「おおおおぅ、浮いた!
ヒャッハー!」
詩織は浮いていることが楽しいのかテンションが上がっていた。
「……詩織さん、うるさい」
「……ゴメン」
「……それじゃ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい、その荷物うるさくてごめんなさいね」
「……いいの」
そして、水樹は羽ばたきを強め、谷の上空を飛び越えた。
詩織はこっちに向かって手を振ってる。
比奈が手を振りかえしているが、他の皆はスルーだった。
俺を含めてな。
「それじゃ、次は蓮と隆之が行ってくださいね」
「え゛」
「分かった」
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