ひび

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この周辺は大きい岩が多く、かなり死角があるので人が居た、ということに皆気が付けなかった。 足音がした方向を一斉に振り向く。 「君たち、動かないでくれ」 そこには男が一人、女が二人。 そして、男には見覚えがあった。 「お前は……」 薄暗くても見間違えるはずがない。 最初この世界に来た時に襲い掛かってきた男だ。 炎は詩織にカードを渡すのをやめ、そばにいた水樹に素早くカードを渡す。 そして自分もいつでも戦えるように身構えていた。
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