ひび

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「……わたし……は……」 金森の笑いがどんどんと醜悪なものになる。 「……私は……貴方の仲間になんてならない!」 「…………はあ?」 「……白夜くんは私のことを大切な仲間、と言ってくれた。 だから、私は、絶対に、裏切れない!」 「……話が違うじゃねーか。 なんで仲間になんないんだよ。 なんで思い通りになんないんだよ!!!」 金森が狂ったように怒りだした。 「水樹! テメー調子にのってんじゃねえぞ!」 そして、パァンと宵闇に甲高い平手打ちの音が鳴り響く。 「あ……う」 水樹は頬を抑え、地面に倒れた。
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