ひび

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谷に向かって思い切りペンダントを投げ捨てた。 「!! 【堕天使】」 水樹はスキルを発言、漆黒の翼を生やして、羽ばたく。 手を踏んでいた鈴木をそれで跳ね退け、走り出した。 恨みの篭ったような目で鈴木は水樹を見据えている。 「金蔵くん、殺しちゃっても、いいでしょ?」 「……いいよ、殺して。 僕の言うことを聞かなかった事を後悔させろ」 二人の会話を聞いてしまい、いてもたってもいられなくなり、水樹に叫んだ。 「西塚さん! ソレは諦めて逃げてくれ!」 ――しかし、水樹に俺の声は届かなかった。 今や見えなくなってしまったペンダントを水樹は追い続ける。
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