ひび

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……何故、俺は彼女にあんなものをあげてしまったのだろう。 涙が頬を伝った。 あれさえなければ、彼女は上手く逃げ出すことが出来たかもしれないのに。 水樹の様子はここからでは見えなくなってしまった。 ――仲間を、守れなかった。 悲しみと同時に、黒い感情が腹の中をぐるぐるとまわっていた。 「あー、しんどい。 【念力】」 また、金縛りにあう。 「さて、予定変更。 殺しは嫌だったがこの怒りは君達にぶつけてあげよう。 まずはそこの眼鏡の君から、順番に一人一人殺してやるよ」 ……コイツをどうすれば止められる?
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