4/22
前へ
/550ページ
次へ
身体が勝手に動き、宙に浮かぶソレをつかみ取る。 それと同時に視界の片隅で、金森が襲い掛かってくるのが見えた。 しかし、見えたところで俺の意思で身体を動かせないのだ。 金森は棒を振りかぶり、思い切り振り下ろしてきた。 それを軽く後ろに飛んで避けた後、反動で止まった金森に一気に詰め寄り、顔面を殴り付けた。 すると、大袈裟すぎるほど金森は後ろに吹き飛んだ。 金森は顔面を抑え、悶え苦しんでいる。 抑えた手の隙間からは辺りの景色よりもさらに赤いモノが滴り落ちている。 俺の身体は背中にさしてある剣を抜く。 剣は、まるで細い木の枝でも持っているかのような軽さだった。 そして、倒れている金森の首元目掛け、躊躇することなく―― ――剣を振り下ろした。
/550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加