44人が本棚に入れています
本棚に追加
/550ページ
森まで、後もう少しと言うところで森から誰かが出てくるところが見えた。
相手が持っている武器は相手の身長ほどある棒だ。
向こうもこちらに気がついた様子で、歩く速度が速くなった。
「やあ、こんにちは」
まず、話かけてきたのは相手だった。
顔立ちの良く整った男で、茶色に染めた髪は風に靡いていた。
雰囲気は柔らかそうだが…
「どうも…」
あまりフレンドリーになるのもどうかと思った結果、微妙な返事を返してしまった。
「大変なことになっちゃったね」
「そう…だな」
「やだなあ、そんなに警戒しないでよ。
とって食おうとしてるわけじゃないんだから。」
「…一つ聞いてもいいか?」
「どうぞ?」
「あんたは…この殺し合いにのってるのか…?」
「…いいや?」
「…そうか」
その言葉が本当なのか偽りなのか、全く読めない。
顔は笑っていても、目が笑っていないように見えるのが恐ろしく感じた。
最初のコメントを投稿しよう!