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飛び散る鮮血。
さらに視界が赤に染まった。
まるで噴水のように血液が吹き出す。
ふと、前方から悲鳴が聞こえた。
その方向をみると、二人の女が腰を抜かした様子で地面に座り込み、必死に後退りしていた。
俺は殺した男に興味がなくなったように、次の獲物を殺すべく、歩きだす。
「く……くんじゃねー!!」
鈴木は近くに落ちていた石やら岩やらを投げ付けてくる。
しかし、【遠投】のかかっていない今、どれも俺に届くことはなかった。
「……ひっ……ぐす……」
遠山はただただ泣きじゃくっている。
俺の中で、憎悪が増してゆく。
コイツらが水樹を殺した。
ただ水樹が仲間にならなかった、という理由で。
――――殺す。
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