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自分が一番やりたくなかった事、なのに……。 叫びたくても、口が動かない。 涙すら流せない。 後一人。 と口が勝手に言葉を紡ぐ。 泣きじゃくっていた遠山の体がビクリ、と跳ねる。 そして、無理矢理体を動かして、何を思ったか谷に向かっていた。 「あんたに殺されるくらいなら……自分から死んでやる!」 後一歩で落ちる。 しかし、俺はそれを許さなかった。 【神眼】 辺りに静寂が訪れる。 足音すらたたない無音の世界。 俺以外の人間は動くことが出来なくなった。
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