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しかし、何も違っていない。 殺したのは、身体を何かに乗っ取られているとは言え、俺だ。 今蓮に攻撃しようとしたのも、俺だ。 また、俺の意識は片隅に追いやられる。 まるで獣のように、身体は攻撃されたことに怒っていた。 剣を放りだしたまま、今度は標的を詩織に変えた。 大地を蹴り、標的の元へ一気に距離をつめる。 固く握っていた拳を標的に叩き込もうとしたが…… これも届かなかった。 拳は何者かの手で弾かれ、体勢が崩れたところで天地が逆転するかのような感触にとらわれる。 その後、背中から地面に叩き付けられた。 痛みと吐き気が襲い掛かってくる。 さらに関節を捻りあげられた。
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