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「隆之、思い出すな…!」 蓮の言葉が聞こえて来たが、開いてしまった記憶の扉から次々と俺は何が起こったのか思い出してしまう。 赤に染まっていた視界がクリーンになり、三人を殺してゆく様子が映像として脳内に映し出される。 三人を殺しただけでは飽き足らず、蓮や詩織まで襲おうとしてしまった。 胸がキリキリと痛む。 「あああああ……」 呼吸が荒くなり、寒気がますます酷くなった。 「……」 「……あの時オマエに何があったのかオレ達は知らない。 だが、殺しちまった人はもう戻って来ないんだよ!」 蓮の言葉が俺の胸に深く突き刺さる。 「……死にたい」 負の感情が溢れだし、ポツリともらしてしまった。
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