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「っ!」 頬にガツンと衝撃が来た。 蓮に殴られたのだ。 「死にたい、なんて軽々しく口に出すんじゃねぇ!」 頬がジンジンと痛んだ。 「痛ってえな……! 何すんだよ!」 体を起こし、蓮を殴りかえす。 「テメェがいつまでもウジウジしてるからだろうが!」 また殴られる。 「……お前に俺の気持ちの何が分かるんだよ!」 殴り返す。 顔が腫れあがっても、鼻血が出ようとも、二人とも全く気にしなかった。 互いに全力で、怒りをぶつけ合っていた。 「騒がしいと思って来てみれば……何をしているんですか! 止めなさい二人とも!」 佳織の声が聞こえたが、無視して殴り合いを続ける。
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