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岩陰から次々と人がやってくるのが視界の片隅に映った。 「くっ…! 炎さん、私は隆之を止めるから蓮を頼む!」 「……分かった」 「やーめーるーの!!」 「二人とも……怖いです……」 羽交い締めにされて蓮から引き離された。 互いに思い切り睨み合う。 「隆之……」 佳織が近づいてくる。 そして……。 宵闇に甲高い音が鳴り響く。 頬を平手打ちされたのだ。 殴られた部分が熱を帯びる。 「……」 そして二度目の甲高い音。 蓮にも佳織は平手打ちをしていた。 「こんな時に喧嘩なんてしている場合ではないでしょう! ……こんなに顔を腫らして……馬鹿ですか、貴方達は!」
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