谷底にて 【水樹】

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「……やめて、苦しい。 ……よろしくね」 「にゃはは、ごめんごめん。 よろしくぅ!」 春奈はポリポリと頭を掻いてニカッと笑う。 全く……。 さて、そろそろ出発しないと。 皆と会って、あのあと何が起こったのか聞かなければならない。 「……行くよ」 「アイサ! どこまでもべったりついていったる!」 「……それはそれで、なんか嫌」 「訂正!ほどほどについていく!」 「……」 彼女を無視して、私は歩き出す。 一刻も早く、皆と合流しなくては。 ……皆は彼女を受け入れてくれるかしら? 少々不安の念を抱きながら、私は夜の闇を突き進んで行った。
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