谷底にて 【水樹】

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……… …… … 歩くこと数分後。 ゴツゴツした地面が続き、歩きにくくて疲れる。 一人だったら飛んで行けば楽なのに…。 彼女を仲間にしたのは失敗だったかな? 「水樹ちゃん。アンタいま変なこと考えていなかった?」 「………さぁ」 何でバレたんだろう? 「……水樹ちゃん」 今度は耳打ちをするように春奈は声をひそめて話し掛けてきた。 「……近い。何?」 「デレ期はいつ来るのかのぅ? ……って冗談!冗談だから黒いオーラを発しないで!」 そろそろ張り手の一つでもおみまいしてやろうか、と思った。
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