絶望と希望

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自分の手を見る。 いつもと同じ自分の手。 しかし、それは血で真っ赤に染まっているように見えた。 雲が切れ、また辺りを月明かりが辺りを照らす。 背中の岩に体重を預けながら、俺は空を見上げた。 本物のようで、作り出された偽物の空。 まるで俺の心の内を現しているような闇だ。 皆の顔や、楽しかった日々が浮かんでは、闇の中に溶けて消える。 なんだか息をすることすら億劫だった。
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