44人が本棚に入れています
本棚に追加
水樹は俺の前までやってきて、俺と向き合った。
後ろめたい事があるので、思わず目を逸らしてしまった。
「……教えて、なにがあったのか」
「……聞かないほうが、いい」
「……教えて」
「……」
彼女はきっと事実を知れば俺を軽蔑するだろう。
怖がられたり、『殺人鬼』と罵られるかもしれない。
それが……何故か怖かった。
「……白夜くん」
「……」
俺は沈黙を続ける。
話すべきか、このまま黙っているか。
考える。
……このまま黙っているのは、卑怯だろう。
あのあと何が起こったのか、彼女には知る権利がある。
そして全てを話して……彼女に嫌ってもらおう。
最初のコメントを投稿しよう!