絶望と希望

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その通り、だった。 信念を破ったから死にたいんじゃない。 俺はただ、犯した罪の重さに耐えられなくて、現実から逃げようとしただけなんだ。 俺は何も言うことができなくなり、下を向いた。 二人とも無言になり、辺りは静まり返る。 ふと、後頭部に腕がまわされ、頭が柔らかい物に当たる感触があった。 温かく、甘い臭いがする。 水樹に頭を抱きしめられたのだ、と理解するのに数秒を要した。 「に、西塚さん!?」 「……動かないで」 「あ、うう…」 今、自分の顔を鏡で見たら茹でた蛸のように真っ赤になっていることだろう。 水樹はお構いなしに俺の頭を抱きしめたまま、撫でる。 まるで、母親が子をあやすかのように。 「……殺した人は、もう生き返らない。 ……だから、貴方はその人達の分まで生きて、罪を償う義務を果たさないといけないの」 「……西塚、さん…」 「……貴方がいなくなったら、皆悲しむよ。 ……私も、ね」 「……」
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