絶望と希望

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「あのー、水樹ちゃん? キャッキャウフフしてる所悪いんだけど……あちしの事、忘れてないかにゃー?」 突然、申し訳なさそうな声で岩陰から女の人が姿を現した。 「「!!」」 弾けたように二人同時に顔を上げ、そちらを見る。 「……『私がいいと言うまでまってて』って言ったのに…」 水樹が立ち上がり、女の人に詰め寄る。 「だってだってだってぇ~! 水樹ちゃんが突然知らない男とにゃんにゃんしだすんだもん! そりゃ心配になりますわ!」 「……っ!! 見て……たの?」 「バッチリ!」 暗いので分かりにくいが、恐らく髪の色は黒。 詩織と同じショートカットの髪型で、水樹よりも頭一つ分背が高い。 服装は見た目よりも動き易さを重視しているようで、軽装だった。
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