再出発

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『たか…き』 こころなしか、俺の名前に聞こえるから困る。 『お…ろ。たかゆき…』 ああああああ、こんな時どうするんだっけ?白い水晶?普通です?鼈甲飴も効くんだっけえええ??めっちゃ怖いんですけどおおお!! ……あ、死んだ振りとかいいんじゃね? 『おきろ…て。たかゆき』 『オキロー!!』 「ぎゃー!ナムアミダブツうううぇ」 殴られた。 「わたしは妖怪じゃない。殴るぞ」 無表情でこちらを見下ろしている人物…詩織だ。 黒のショートヘアがボーイッシュな雰囲気を引き立て、それを嫌ってかヘアピンで髪を軽く止めている。 一言で言うと、格好良い女の子だ。 「もう殴られているんデスガ」 軽くだけど。
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