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「詩織さん…怪我人には優しくしてくだせぇ…」
「オマエは体力が落ちてる一般人で、もう怪我人じゃないだろう」
「ぶー、ぶー」
「可愛くない」
「でしょうね」
他愛もない会話が心地よい。
しかし、気になることがあった。
何故、蓮は俺を殺そうとしたのか。
「さて、オマエが目覚めたことだし、姉さん達は近くにいるから呼んでくる」
「うぃっす」
…
手足は普通に動いた。
いつまでも寝そべってる訳にはいかないわけで、起き上がってみた。
「…ぐう……」
視界が真っ暗になる。
頭がズキズキする。
貧血による眩暈だ。
「ううう……っと…ふう」
ようやく景色が戻ってくる。
そして、詩織の去っていった方向から多数の足跡が聞こえた。
戻ってきたのだろう。
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