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足元の道や建物は殆ど煉瓦作り、街の中央には立派な噴水がある。
まるでRPGの世界の街が画面から出てきたような出来だった。
残念ながら、武具屋と道具屋は見つからなかったが、宿屋は発見した。
「今夜はここで一泊だね」
「ああ、早くあの極悪姉妹も呼んでこないとな」
「へぇ?蓮君はなかなか度胸があるみたいですねぇ?」
「そうだね、姉さん。
極悪とは…傷ついたなあ…蓮?」
ゾクリ
後ろからの声に背筋が寒くなる。
俺と蓮は首から『ギギギギ』と音を出しそうな様子で振り向く。
そこには満面の笑みの佳織さんと詩織さんがいた。
「さ、ちょっと向こうで話しでもしましょうよ」
「ほら早く、行こう。蓮」
蓮の両手を二人が拘束し、引きずる。
「待て、違う。ちょ…落ちつ……
うわああああ!!隆之いいいい!!助けてくれええぇぇ…」
蓮が連れ去られた。
こりゃ死んだな……。
南無。
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