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「ぐっ…」
咄嗟に身を守ったものの、あまりの攻撃の重さにのけ反る。
少女は旋回し、そしてまた飛来してくる。
漆黒の翼は闇にとけて見つけにくい。
あっという間に接近され、次はドロップキックの要領で蹴られる。
先程の蹴りよりもさらに威力が上がり、後ろに吹っ飛んでしまう。
背中から地面に落ち、それでも止まらず更に数メートル引きずられた。
背中には熱さと鈍痛を感じ、受け身をとれなかった事により息がつまる。
「…ゲホッ…ゴホッ」
苦しい。
酸素を求めて深呼吸するが、肺に空気が入らず、咳込んでしまう。
不意に後ろから抱えられる感触。
そして、翼が羽ばたく音が聞こえ、体が浮き上がる。
「これで…おしまい。痛かったら…ごめんなさい」
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