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「…まだ勝負は終ってな…痛っ…」
突然少女が屈み込む、漆黒の翼は端から消えていった。
「どうした!?」
「なんでも…ない」
「なんでもないわけないだろ!」
「……情けをかけて恩を売るつもりならやめて。
惨めになるから…」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ。
…足か?」
よくよく考えると、この細い足であんな加速のついた蹴りを放てば、どうなるかは火を見るより明らかだ。
「つ…ぅ…」
「とにかく座って、できればその長い靴下を脱いでもらえると助かる」
「……」
少女はしぶしぶ座って履いている靴下(ニーソックスと言うらしい)を脱ぐ。
すると右足首が真っ青に腫れ上がっていた。
軽くて捻挫、酷くて…骨折・脱臼だろう。
「……殺してよ…」
ボソリと呟いた。
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