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「それに、俺の仲間なら君の足だって即座に治すことが出来…」
「……無理…だよ…」
「え?」
「……私は人を信じたくない…。
だって、人は必ず裏切るもの…」
「何か…あったの?
君が良ければ…話して貰えないか?」
「……私がこの地に降り立って、最初に女の二人組に出会ったの。
出会って早々『ナカマにならない?』って言って…。」
「…」
「その時は私も不安で仕方なくて、彼女達の仲間になることにしたの…。
そこからしばらく一緒に歩いて、森を抜けたところで一人の男に出会った」
少女の顔つきが険しくなる。
「…茶髪でいかにも優男。
そして背中には…血のついた長い棒が見えた」
「…!まさか…そいつは…」
「…?知ってるの…?」
「…俺もそいつに襲われた。
その血はひょっとしたら俺のものかもしれないな…。
話を切ってゴメン、続けて」
「…明らかに危険な人だから逃げようとしたけれど…
私の足は動かなかった。
仲間だった子の一人に【念力】という能力があったから多分それのせいだと思う。
…私は捨て駒にされたの。」
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