街にて

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「…やなこった。 君を置いていったりするもんか。 …よっこらせっと! うわ、めっちゃ軽いな…」 お姫様だっこのような形で少女を持ち上げる。 「ちょ…やめ…。 おーろーしーて!」 少女が頭をバシバシと叩いてきた。 …時々拳も入った気がする。 「痛たたた!叩くなって!」 「…貴方がそんな事するから…でしょ!」 少女の白い肌がみるみるうちに朱色にそまる。 「まー、まー、少しの辛抱だからさっ」 「…だからさっ、じゃないよ…この人攫い…」 「うわ、傷つくなあ」 「……私は恥ずかしさで死にそうだよ… せめておんぶに変えて…」 「はいはい…」
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