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水樹を背負いながら宿屋の前までやって来た。
彼女は緊張が解けたのか、歩いている間に寝息をたててしまっていた。
耳に息がかかるたびに心臓が跳びはねるので、精神衛生上大変よろしくないです。
ドアの前には二つの人影があった。
一人は髪が長く、一人は髪が短い。
佳織と詩織だ。
…?
蓮…は…?
向こうもこちらに気がついたのか、近づいてきた。
「おっそいですねぇ…?隆之?
女の子を待たせるなんて、何を考えているんです?」
「ご、ゴメン…」
一見笑顔だけど、眉間のしわが怒りを物語っていてひたすら怖い。
「貸しいち…」
(いち?佳織にしてはあま…)
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