二日目の朝

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地面が土でできているところまで移動する。 「はあ…ダウンしたら終わりだからね!」 「分かった。 でも自分からダウンしたら続行するからな」 ……読まれましたか。 互いに少し離れてファイティングポーズをとる。 「…行くよ!」 先に仕掛けたのは俺だ。 理由は早く一発貰って終わらせたいから。 「ふんっ」 あっという間に蓮まで接近し、右ストレートを打ち込む。 蓮はそれを左に少しズレて避け、隙だらけになった俺の背中に回し蹴りを入れる。 手加減をしているからなのか、全然痛くない。 しかし殴りかかった勢いと、蹴られたせいで完全にバランスを崩してしまう。 蓮の蹴りが膝裏に入る。 「つっ…!」 伸びきった膝は強制的に曲げられ、地面に倒れ込みそうになる…が、持ちこたえる。 一度後ろに跳び、距離をとる。 靴の先端で蹴られたのか、膝裏がジンジンと痛む。 体制を整える前に蓮の追撃がきた。 容赦無し、だ。 顔面への上段回し蹴りを辛うじで避ける…が、完全に読まれていた。 蹴り足は俺の顔のあった辺りからそのまま一度体のほうまで曲げ、今度は鳩尾目掛けて足の側面で蹴られる。 即座に反応し、腕でガードするも蹴りの勢いで後ろにのけ反らされた。 (ちくしょう…足癖悪すぎるよ…!)
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