#02 My Favorite Things

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       *  これほど一週間を早く感じたのは、いつ以来だろうか。  私は、ただただウィークエンドが待ち遠しかった。仕事がなかなか手に付かず、難儀したものだ。  しかし、何故なんだろう。  私が、こんなにもあの店に引かれたのは。  とても古くて小さい店だった。流れているのもオールドスタイルのジャズ。オマケにマスターはご老人だ。  普段ジャズなんか聴かないし、あんなに歳の離れた人となんか、なかなか喋る機会もない。  逆に言えば、それが新鮮だったのかもしれない。確かに私にとって、あそこはまるで異世界だった。  あとはマスターの人柄か。  うん、ここはデカそうだ。
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