#02 My Favorite Things

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 私は、この前来た時とと同じカクテルを頼んだ。  マスターは、前回同様見事な手付きでそれを作っていく。  あっという間に、頼んだ品は私の目の前に来た。相変わらず、早い。 「前回もそれでしたね」  マスターは言った。 「ええ。若い頃は色々試して飲んだものですが…」 「またまた。レイも充分お若いですよ?」 「そりゃあ、マス……ノエルに比べれば、私なんかまだまだですがね」  私とノエルは、軽いお喋りで談笑していた。  すると、 「おーい、新顔さんよ。あんまりノエルを独占するなよ?」  不意に近くで声を掛けられ、私は振り返った。  見ると、男性の二人組みがそこに立っていた。  まだ若い。それぞれ髪の毛を金色と銀色に染めていて、おおよそこの店の雰囲気とはあっていないように思えた。  印象的な二人組みで、金髪の男は背が高く筋骨隆々とした見事な体格をしていて、逆に銀髪は背も低く体つきも華奢だった。  金髪は髪の毛を短く切り揃え、銀髪は長髪だった。特に銀髪はその髪型も奇抜で、所々を棘のように尖らせて、ワックスかなにかでガチガチに固めていた。まるでウニだ。
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