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私は、この前来た時とと同じカクテルを頼んだ。
マスターは、前回同様見事な手付きでそれを作っていく。
あっという間に、頼んだ品は私の目の前に来た。相変わらず、早い。
「前回もそれでしたね」
マスターは言った。
「ええ。若い頃は色々試して飲んだものですが…」
「またまた。レイも充分お若いですよ?」
「そりゃあ、マス……ノエルに比べれば、私なんかまだまだですがね」
私とノエルは、軽いお喋りで談笑していた。
すると、
「おーい、新顔さんよ。あんまりノエルを独占するなよ?」
不意に近くで声を掛けられ、私は振り返った。
見ると、男性の二人組みがそこに立っていた。
まだ若い。それぞれ髪の毛を金色と銀色に染めていて、おおよそこの店の雰囲気とはあっていないように思えた。
印象的な二人組みで、金髪の男は背が高く筋骨隆々とした見事な体格をしていて、逆に銀髪は背も低く体つきも華奢だった。
金髪は髪の毛を短く切り揃え、銀髪は長髪だった。特に銀髪はその髪型も奇抜で、所々を棘のように尖らせて、ワックスかなにかでガチガチに固めていた。まるでウニだ。
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