#01 Take Five

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 終電には、まだ間があった。  平日の夜、深夜というにはまだ少し早い時間だった。急げば終電ひとつ前の線に乗れるのだが、仕事でクタクタに疲れた私には、それを断行するだけの気力と体力は残っていなかった。  しかし、この中途半端に空いた時間を駅のベンチで待つだけ、というのも味気ない。  さて、どうしたものか。    少し考えたが、この駅の近辺を散策して回る事にした。  表通りの方は、大体何があるか知っているので、あえて今日は裏通りへ。  何か新しい発見があるかもしれない。ひそかにそんな思いを偲ばせながら。
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