冬の悲劇~つないだ手から伝わる暖かさ~

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冬。 もうすぐクリスマス。 和也はデートの帰りに必ず通る、公園の並木道を一人で歩いていた。 結局美咲の好きなものを聞き出せないままいた。 「う~ん仕方ないここは思い切って指輪をあげてみようかな。」 喜ぶかどうかはわからない。 でも気持ちが伝わればきっと喜んでくれるはずだ! とガッツポーズをしているところにいきなり 「周りから見ると恥ずかしい人だよ?大丈夫?」 と声がかけられたので慌てて後ろを振り向くと美咲が立っていた。 「驚かせんなよ。」 「なんでそんなに驚くの?どうせエッチなこと考えてたんでしょ?」 「違うよ。」 適当にごまかしなんとかやり抜ける事が出来た。 今プレゼントの事がばれたらせっかくの計画がパーだ。 「ていうかカズ君。なんでここにいるの?」 「ん~。少し考えて事。」 「ふ~ん」 と言いなが美咲は俺の手を握ってくれた。 暖かい...。 美咲はそのまま俺の肩に顔を埋めた。 そしてすぐに 「行こ?」 彼女が俺の手を引いてくれたので俺もようやく歩き出した。
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