冬の悲劇~つないだ手から伝わる暖かさ~

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今は病院の手術室の前。 手術中のランプが付いてから3時間が経つ…。 「美咲。美咲。美咲。」 俺はずっと美咲の名前を呟いていた。 不意に手術中のランプが消え、中から先生が出て来た…。 「せ、先生!み、美咲は!美咲は大丈夫なんですか!?」 「なんとか命は取り留めました…。」 「よかった…。」 だが先生は少し俯き、 「しかし持って後2日でしょう。」 !! 2日!? 「美咲さんは頭の他に内蔵もいくつか破裂しており命を取り留めたのでも奇跡なぐらいです。」 和也の頭は真っ白になっており、先生の声は全く聞こえて無かった。 あと2日………。 「どうにかならないんですか!どうにか!」 先生は俯いたまま、 「すいません。私達の力ではこれが限界です。」 と先生は深々と頭を下げた。 「……そう…ですか……。」 「じゃあ俺にできる事は何か無いんですか!?」 「今あなたに出来る事は美咲さんと一緒に居てあげて下さい。出来るだけ一緒に…。」 くそっ!そんなことしか出来ないのか……。 「わかりました………。」 と言い残して、俺は美咲が居ると言われた部屋に向かった。
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