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ボーン… ボーン…
PM10:00の鐘が静寂な夜の街に響く。
昼間は人でとても賑わう街なのだが、夜は違った。
誰一人として外に出ている者は居ない。
かなり面積の広い街なのに、一体 何故夜の街に姿を見せる人は居ないのか…
それは、ほんの2,3日前の事だった―…
―――――――――――――――――――
ワイワイ…
いつも以上に、街が騒がしい。
「おいおい…まじかよ…?
殺し屋だってよ。
今時こんなの居るのか?」
「それは分かんないけど…
…居るとしたら誰が狙いなのかなぁ~」
「ママぁ…何のお話してるの?」
「…気にしなくていいのよ」
「殺し屋なんてねぇ…」
「フン…どうせ
誰かが気を引くためにした悪戯だろう」
「…でもそれにしては出来過ぎてる」
ガヤガヤ…
どうやら、一晩の内に街中の至る所に怪しいチラシが貼られていたらしい。
その内容とは…
『7日以内にこの街である人物を消す
…逃げたければ逃げろ
犯行推定時刻はPM9:00以降だ by殺し屋』
と言うものである。
皆、本当に殺し屋なんて来るのか、半信半疑だったが"ある人物"が一体誰なのか…。
それが確定するまでは安心出来なかったのだ。
―――――――――――――――――――
それから、3日目―…
未だ「殺し屋」は現れない。
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