20人が本棚に入れています
本棚に追加
「危ないっ!!」
ノイズ「!?」
不意にノイズの視界が妨げられ、同時にノイズは誰かに強く抱き締められた。
ノイズ「れ…っ!!」
ぐしゃ…と鈍い音と共に、赤黒い血が床に滴り落ちた。
ノイズは、その見覚えのある金髪の男の子の背中に刺さった剣をそっと掴み、強く握りしめた。
リア「…!
(動かない…!!)」
"リア"は腕を前後左右動かして、ノイズの手から逃れようとした。
しかし、剣はピクリともしない。
ノイズは片方の手でレウスの肩を抱き、目を伏せながら口を開いた。
ノイズ「貴様…」
アンドロイドである"リア"の表情が強張る。そして何かを察したかのように、ノイズの言葉を遮った。
「ノイズ…?どうしたの…。私と一緒に、居たくないの?ねぇ…もっと素敵な身体に…」
ノイズ「…黙れ!!
貴様は…リアとは違う。…リアではない!仕事の邪魔をする奴は排除するまでだ!」
ノイズの怒声に"リア"は少しひるんだ様子を見せた。
ノイズは胸の奥が熱くなるのを感じた。
今まで、誰かの為に怒りを感じた事などなかった。
人を大切に思ったことなど、なかったから。
ノイズは自分でも不思議な程に、いつもの冷静さを無くしていた。
怒りが収まらなかった。
ノイズはリアを睨みながら、ゆっくりとレウスから手を離して立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!