一章

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「痛っ!痛いよ蓮」 「ごめん!」 蓮は慌ててあゆ姫の肩から手を離す 「あゆ姫様~、あゆ姫様~」 その時後ろの方からあゆ姫を呼ぶ男の声が 「おお!あゆ姫様こんな所に居られましたか」 その声の主は六十代後半に白髪頭と青い着物を着たいわゆる家老と言った感じの風格を持つ老人 「探しましたぞ!む……なぜお主が姫様と一緒におる、この裏切り者の息子が」 老人は敵を見るかのごとく鋭い眼光で蓮を睨みつける 「じぃ、その言い方は二度と言うなと言ったはずです」 「しかし姫様!こいつの父親はこの国を裏切り螺旋国に寝返ったのですぞ!殿の命を奪って……姫様は憎くないのですか!」 老人は怒り露わに叫ぶ 「俺の親父は裏切ってなんかいない!殿の命を奪ったのだってきっと間違いだ」 蓮は父親の潔白を訴える 「私がこの目ではっきりとお前の父親が殿の胸に刀を突き刺している所を見たのだ。姫様のお声がなければお前などここで斬り捨ててくれるものを」 老人は刀の柄に右手で掴む。蓮もそれを見て左右に下げている二本の刀の柄を掴む 「じぃも蓮も、止めさない!」 あゆ姫は老人と蓮の間に入り手を広げ止めに入った
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