始まりはいつも雨

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他の書店ではどうなっているか分からないが並川書店ではこの機械は各階に置かれているのだ。

書籍の検索が出来るらしく何かを打ち込む。

ユカが言っている小説が見付からないのか、

店員は打ち込んでは首をひねり、

また打ち込むと言う動作を繰り返す。

やはり見付からなかったらしく、

「すみません。ちょっと見付かりませんね」

申し訳なさそうに言う店員にユカは、

「いえ。有り難うございました」

そう答えるしかなかった。

その店員が再び書籍を並べる作業に戻ったのを見届けると言うか確認するとユカは一階に降りる。