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「嫌じゃないよ。ただ、自分でワンマンチームなんて言うなよな」
「へっ」
練習が終わり、幸広は英斗と帰路に付いていた。
「六条はすごい奴だよなー」
英斗が呟く。夏の夕焼けの匂いがする。
「今日の紅白戦…またアイツのシュート止められなかった」
隣を歩く英斗の顔は半分笑っているが声が暗い。
「俺よりずっと上手い三葉に止められないのに、俺に止められるわけないんだけど」
英斗は正ゴールキーパーではない。
背番号1は三葉のものだった。
口には出さないが幸広は英斗の卑屈な所が苦手だ。
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