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「このクソ親父!」
「何だその口の利き方は!その歳で反抗期か!?」
グッと言葉に詰まる青年。
その歳と言われても、この親子……同い年にしか見えない。
「10年しか生きてないガキのくせに!親に逆らうとは良い度胸だな!そこに直れ!鍛え直してやる!」
二人の見た目は30歳。
下半身は蛇の尾で。
そう、ナーガの親子である。
「卑怯だぞ!神器使うのか!?」
神器を取り出し構える父親。
対する息子には武器が無い。
「フッ、神器も持たぬクソガキが……。親の恐さを思い知らせてやる……。覚悟は良いか、ディノルド……。」
ヤバい。
「ま、待て、父さん、マジになんなよ、ちょっとした可愛い反抗だろ……?」
普段は温厚な父親が、神器を構えて戦士となっている。
「貴様の性根を叩き直すのだ。手加減などせぬ!」
ヤバいったらヤバい。
戦士の口調。
あれはもう父親じゃない。
男だ。一人の男として対峙している。
に、逃げるが勝ちだ!
「あっ!男が母さんを口説いてる!」
父親の後ろを指差し叫んでやった。
「な、何だとーっ!?ナーガの人妻を……その首貰ったーっ!」
ぐりんっ、と方向転換した隙を見て、俺は急いで下界に逃げた。
そこなら見つからないと思ってな。
というのも、俺が下界に降りたのはこれが初めてだったからだ。
意表をついてやったと、空を見上げて笑ってやった。
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