10歳と5歳の出逢い(ディノルド&セフィーナ)

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「このクソ親父!」 「何だその口の利き方は!その歳で反抗期か!?」 グッと言葉に詰まる青年。 その歳と言われても、この親子……同い年にしか見えない。 「10年しか生きてないガキのくせに!親に逆らうとは良い度胸だな!そこに直れ!鍛え直してやる!」 二人の見た目は30歳。 下半身は蛇の尾で。 そう、ナーガの親子である。 「卑怯だぞ!神器使うのか!?」 神器を取り出し構える父親。 対する息子には武器が無い。 「フッ、神器も持たぬクソガキが……。親の恐さを思い知らせてやる……。覚悟は良いか、ディノルド……。」 ヤバい。 「ま、待て、父さん、マジになんなよ、ちょっとした可愛い反抗だろ……?」 普段は温厚な父親が、神器を構えて戦士となっている。 「貴様の性根を叩き直すのだ。手加減などせぬ!」 ヤバいったらヤバい。 戦士の口調。 あれはもう父親じゃない。 男だ。一人の男として対峙している。 に、逃げるが勝ちだ! 「あっ!男が母さんを口説いてる!」 父親の後ろを指差し叫んでやった。 「な、何だとーっ!?ナーガの人妻を……その首貰ったーっ!」 ぐりんっ、と方向転換した隙を見て、俺は急いで下界に逃げた。 そこなら見つからないと思ってな。 というのも、俺が下界に降りたのはこれが初めてだったからだ。 意表をついてやったと、空を見上げて笑ってやった。 .
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