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『また戦争がしたいのかっ! あんた達はぁっ!!』
その声に、紅は慌てて辺りを確認する。
燃え上がるMS工場。穿たれた地面。遥か前方では、カオス、アビス、ガイア、ザクウォーリア、そしてソードシルエットを装着したインパルスの姿があった。
「あれは、インパルス…」
基本的に、紅は物事を深く考えない人物である。
平たく言えば、バカなのだ。
ついでに、彼はシン・アスカというキャラを気に入っていた。
原作では不遇の扱いであったが、それでもその曲がらない想いには好感が持てたのだ。
彼が取るべき行動はつしかない。
「こいつ、ゲイルストライク…だな?」
習ってもいないのに、自然と指は目の前のコンソールパネルを叩く。
GAT-X105『ストライク』。
まだ、起動はしていないようだ。
「え~っと、ここがこうだから…こうか?」
呟きながら操作を進める紅。しばらくして、画面浮かぶ、
General
Unilateral
Neuro-Link
Dispersive
Autonomic
Maneuver
...Synthesis System
の文字。
「行ける、行けるぞ!!」
ゲイルストライクのツインアイが輝き、PS装甲が灰色から深い蒼へと色を変える。
「悩んだって仕方ねぇよな」
何故ここがアニメの世界なのか。そもそも、ここは本当にあの世界なのだろうか。
何故、紅はここに居るのだろうか。
様々な疑問は尽きないが、紅はそれらを置き去りにして目の前の状況に対応していた。
「この世界じゃ、姓名は逆になるんだよな?」
そんな事を考えるのも彼らしい。
「さてと、クレナイ・ウラキ、ゲイルストライク、出る!!」
そうしてこの世界に迷い込んだクレナイは、フットペダルを力強く踏み込んだ。
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