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「まぁ…とりあえず光流に交代するところまで詰め込むよ」
「頼んます」
そこでちょうど下の階から母親が二人を呼ぶ声がした。
「はーい。今行く~」
二人はぴったり重なった声に何の突っ込みも入れずに一緒に下に降りていった。
「お母さん今日の晩御飯何?」
リビングに着くなり蜜華が母親に尋ねる。
「久々に光流が帰ってきたからご馳走よ♪」
「やた!」
光流には事務所が用意したマンションの一室があるが、蜜華と打ち合わせをしないといけないことも多く、しょっちゅう実家に帰ってきている。だが、今回はドラマが光流だけで撮れたのでしばらくの間帰ってきていなかった。
蜜華は料理を運ぶのを手伝いに、光流は一足先に椅子に座る。
「でも光流が帰って来たってことは次のドラマは蜜華が出るの?」
料理を運んでいる手を止めずに母親が尋ねる。
「両方出るよ」
二人の声が重なる。
よくあることなので母親も気にとめることはない。
「蜜華は女の子なんだから傷作らないようにね」
「は~い」
聞いているのかいないのかわからないような口調で返事をしながら食事を運び、光流の隣の席に座る。
そして主にドラマの会話をしながら食事を終えた。
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